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虫嫌いの母が、虫取りに奮闘するまで

  • f-ijyuu
  • 2 日前
  • 読了時間: 7分

※本文には虫の写真が登場します。苦手な方はご注意ください。


移住したばかりのころは、常に虫を意識して暮らしていました。家は、しばらく人が住んでいなかった物件で、周囲の草木も茂っており、さまざまな虫が出ました。そこで、まず手を着けたのがスマホのメモ帳に、出没した虫の記録を付けることでした。例えば、カメムシは○月から出始めたとか、どんな場所だったか、いつごろ見かけなくなったとか。そうやってまとめてみると、次のことに気が付きました。

■屋内の虫警戒区域は、おおよそ決まっている(窓辺、水回り、軒下)

■空き家だった家は、人が住んで地道に駆除していくと減る

■草木の手入れをすれば虫が減る

■家の隙間を減らせば、虫の侵入も減る

■普代で年中通して見る虫はいない(虫の宝庫である、山の上に住んでいても!)

■ゴキブリは出ない

どうですか?少しは安心しませんか?



そして、だんだん思考が「虫が嫌い、怖い」から「面倒くさい」になってくるから不思議です。耐性が付いているんでしょうね。いつか人生の先輩方のように、高速で飛び交うアブをパッとつかんでポイッとできる領域に到達できるでしょうか。


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さて、虫嫌いの英才教育を受けてきた息子が、ついにこの夏、虫とりをして遊び始めました。いよいよ苦手な虫と対峙するときです。自然いっぱいの普代村では、虫の王様・カブトムシをはじめ、子どもの好きな虫たちがたくさんいます(震え声)。


MISSION1「トンボを獲りたい」

数年前、びっくりするくらい沢山トンボがいました。大雪で天敵のハチが減ったのでしょうか。空いっぱいにトンボが飛ぶ日がありました。ハチやハエ、アブと違って、音もなく飛ぶトンボは優雅なものです。眺める分には。捕まえるとなれば話は別です。私が苦手だなと思うのは、もしかして首が取れるんじゃない?というくらい頭が回転すること。口にヒゲみたいなのも生えてるし。ロボットみたいなその口は、どういう構造なの?


当初、虫とり網は持っていませんでした。素手でいかなければなりません。「とってちょうだい」とぐずられ、内心は「逃げてくれ」と思いつつ羽に手を伸ばします。そうして捕まえられないでいると子ども自らとりにいきます。心の中では「初めからそうして!」と思いつつ、「上手だね!」と褒めたたえ、以後は自分でとってもらう作戦です。


名前は分からないけど、茂市地区ではきれいな水色のイトトンボを見かけることもあります。ときどきいるオニヤンマは迫力があります。絶対、素手では無理!


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MISSION2「カマキリを獲りたい」

茶色とか緑とか、カマキリもいます。2025年は、毎日のように見ます。うっかり見つけてしまえば「とってちょうだい」が発動。首のあたりをつかもうとしますが、攻撃してくるし、掴む力加減が分かりません。カマの攻撃よりも潰したり、ちぎれてしまう方が怖い。愚鈍な私に捕まるほどの個体がいるとすれば、きっと余命いくばくかですし…。


捕まえたからと言って、どうする訳でもなくても「とってちょうだい」は続きます。


MISSION3「クワガタ・カブトムシを獲りたい」

山の上に住んでいますが、意外と見かけないのが昆虫界のアイドル「クワガタ・カブトムシ」。これまでに一度だけ、家の灯りに引き寄せられてカブトムシがやってきました。「家の中にスズメでも入ってきたか?」と思うようなバタバタ音が聞こえたら、巨大な蛾かカブトムシです。どうやって入ってくるのか…


虫が寄らないように、家の灯りを蛍光灯からLEDに変えてから蛾の侵入は減り、カブトムシも音沙汰ありませんでした。虫嫌いの方は、ぜひLEDに変えましょう。光が漏れないように遮光カーテンにしておくのもひとつです。


あ、我が子のために虫を捕まえる話でした。


普代でよく見かけるのは「コクワガタ」のメスです。エサでおびき寄せる方法もありますが、甘い汁なんて塗ろうものなら、かなりの確率でハチが寄って来て、下手をすれば巣をつくられます。やりたくありません。ライト一択です。ハチも光に寄ってきますが、ライトならハチが活動しにくい時間帯で、精神衛生上良いです。


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彼らが活動する時間帯は17時から22時くらい。または朝4時から7時。クマの活動エリアや時間帯と重なって危険なので、森に入って行くよりは「普代駅」や「B&G」など、街灯のあるところに探しに行くのがおすすめです。



ある雨の夜、家の外でバタバタ音がするので見てみたら、カブトムシのメスでした。念願のカブト登場に、親子で奮闘。私は発砲スチロールの箱と蓋で挟んで捕獲しようとしたものの、とれるわけがなく…。息子は自分でとるしかないと悟り、なんとか掴むと、カブトが指を鷲づかみにしました。「ギャー」と悲鳴をあげ、ふりはらったら、たまたま箱にin!こんなところで運を使って良かったのか。


カブトやクワガタが、木や指を挟んで離さないとき、急所であるお尻をトントンすると良いらしいです。そもそも、虫を掴もうとすることが間違っているんだとか。そっと手のひらに誘導してやれば、爪を立てられたり、足が取れたり、噛まれたりしないので、虫嫌いを増幅させずに済むと。なるほどですね。



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カブトムシを捕まえ、大興奮の息子。ところが朝になって、カゴを見るとカブトがいません。「カブトムシ 脱走」で検索すると、いろいろ出てきます。カブトの脱走は珍しくないようです。毒があるわけでも、刺すわけでなくても、家の中で行方不明になられると、なんかイヤです。間違って踏んだら最悪。いなくなって子どももシュンとしているし。


捜索すること1日。玄関から外に出たんだと思いこもうとしていた朝、虫かごを見ると、中でバタバタ暴れていました。土の中にもぐっていただけでした。カブトムシは暑さや危険から身を守るため、土に潜ることがあるそうです。特にメスは、卵を産むために土に潜ることがあるんだとか。子どものためには、大事に育ててやるしかない!


まだ心配事がなくなった訳ではありません。エサがいります。昆虫ゼリーを買ってきました。山の上にある我が家で、ゼリーを放置して良いものなのか。アリが群がるのでは。しかも虫ゼリーのパッケージには「ダニがどうのこうの」と物騒なことまで書いてあるではないですか。調べてみると、ゾワゾワするような画像が出てきます。検索しない方が身のためです。生活スペースから、離しておくのが賢明でしょう。


〈ハエ防止〉

・カゴの中に入れるのを腐葉土ではなく、ウッドチップにする。

 (腐葉土はコバエのエサになる)

・カゴは新聞紙等で覆ってからフタを閉める。侵入防止。


因みに、今のところ昆虫ゼリーにアリはたかっていません。恐らく、それほど甘くないようです。ゼリーを食べる姿は思いのほか可愛い。心配になるくらいずっと食べていることもあります(親近感)。体の柔軟性がないので、昆虫ゼリーの容器に入ったままだと表面しか食べられず、すぐまき散らかします。


〈ゼリーの代用になるもの

×はちみつ(口がベタベタになって食べられない。アリの危険!

△キュウリ、スイカ(食べるけど、水分が多すぎる。腐りやすい

△バナナ、トウモロコシ(食べるけど、コバエの危険)

〇魚肉ソーセージ、ドッグフード


〈ダニ防止〉

・飼育箱は深いものを選び、土を入れすぎない。(4~5センチ)

・1~2週間に1度、土を交換する。

 使用した土は、燃えるゴミとして捨てるか日光消毒して自然に返す。

・昆虫ゼリーは餌皿に入れる。巻き散らかし防止。

・止まり木、餌皿は熱湯消毒してから入れる。


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いつしかカブトムシは家族から「カブタン」と呼ばれるようになり、順調に飼育が進められていると思っていました。私が余計なことを言うまでは・・・


「今日は暑かったね。カブタン生きてて良かったー」


次の日、家に帰ってくるとカブタンは天に旅立っていました。よく見ると、カゴに水が入っています。そういえば息子がコソコソ妙な動きをしていました。暑くて可哀そうと思ったのか、水を入れていたのです。息子は慌ててカゴを傾けて水を切ろうとしていました。もう動かないカブタン。息子は、ふぇえと静かに泣いていました。


ただただイヤだと思っていた虫も、子どもを通じて、不快以外の感情を持つことができました。カブタン、ごめんね。息子氏、ごめんね。

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